タマアジサイ(玉紫陽花) アジサイ科(Hydrangeaceae)
学名:Hydrangea involucrata Sieb
Hydrangea involucrata var. idzuensis
ツボミが開き、中の花弁や萼が顔をだし、開き終え覆っていた殻は落ちてしまう。
タマアジサイと判るのはこの状態の頃が一番の見所。茎、葉には短毛が密生する。
葉は対生、葉柄があり長さ15㎝前後で長楕円形、縁に細鋸歯があり鋸歯先が芒状になる。
葉の両面はざらつき基部は円形、葉先は尖る。蕾は苞に包まれ直径2.5㎝前後の球形。
花期は、他のアジサイよりだいぶ遅いのが特徴(一番遅いのは瓔珞玉紫陽花)。
白い装飾花は3~5個。すべて装飾花になるものはテマリタマアジサイという。
ナガバアジサイ(Hydrangea longifolia)台湾原産があるが、タマアジサイによく似ている。
タマアジサイとそっくりで中々見分けがつかないのが“ラセイタタマアジサイ”
ラセイタタマアジサイ(羅背板玉紫陽花) アジサイ科(Hydrangeaceae)
学名:Hydrangea involucrata var. idzuensis
葉は大型で厚く、両面に細かい毛があり、触るとザラザラしている。
ウズアジサイ(渦紫陽花) アジサイ科(Hydrangeaceae)
学名:Hydrangea macrophylla. uzuazisai
Hydrangea macrophylla f. concavosepala
別名: オタフクアジサイ(お多福紫陽花)
ウズアジサイの花は小さく、且つ縁が丸まっている。
アジサイ の変種で、装飾花の縁が丸まっており渦を巻くように見える。
ウイルスによって変異したものを、江戸時代に園芸種として育成した由。
ガクアジサイとラセイタタマアジサイ共に伊豆諸島の準固有種として知られている。
伊豆諸島ではこの2種のアジサイがセットで見られ沢筋の不安定な立地等に群落する。
林の縁にもよく自生しており、山側の車道を通ると簡単に見つかる。
ラセイタタマアジサイは、葉がとにかく大きい!!
2mほどの低木がこのサイズの葉を付けるとなると、その存在感は圧巻だ。
その姿を伊豆大島では「サワフサギ(沢塞木)」と呼んでいる。
(2018/8/7 大島・間伏林道にて撮影)中央の赤いラインが沢の流。
若い火山島の大島は、土壌に多く火山灰が含まれ大変水はけがよい。
川や池が、ほとんどなく雨が降ったときしか沢に水は流れない。
紫陽花は、根っこの強い植物ゆえに流れにも耐えている。
直径3-4cmほどのまんまるの蕾。それぞれの苞葉の間に蕾を持っている。
外側から内側へ、苞葉⇒蕾⇒苞葉⇒蕾...と交互にサンドイッチ的構造。
全ての蕾が開ききっても、ラセイタタマアジサイの花は葉に比べ小振。
萼紫陽花の様に華やかさはないが、白~淡紫色の色合いは日本的だ。
花に見える部分は「装飾花」萼片で雄蕊や雌蕊を持ってい内。
種を作るのは、中央にある本物の花たち、これも面白い。
萼紫陽花と羅背板玉紫陽花群集は、伊豆諸島固有の原風景。
羅背板玉紫陽花項目は、アクティブ・レンジャー日記 [関東地区]
_伊豆諸島の紫陽花リレー:ラセイタタマアジサイ<伊豆諸島地域>ヨリ拝借。