「ハルジオン(春紫苑)」
早朝のハルジオン(2020/05/11)
(2020/05/13)
ハルジオン(春紫苑) キク科(Asteraceae/Compositae)
学名:Erigeron philadelphicus
別名:ベニバナヒメジョオン(紅花姫女菀)
比較的白色が多いが、ピンク色のハルジオンの花が拙宅小庭に見える。
雑草と云われるが、どうして、中々瀟洒である。観賞用園芸植物に引けをとらない。
“雑草という花はない”の如く纏まって咲く風情は中々に清楚な花。
広がるまで時間がかかるが、一度生えるとなかなかしぶとい。
茎は中空で高さ0.3〜1mにもなる。全体に長い軟毛があり茎を押さえると凹む。
根生葉と下部の葉は長楕円形またはへら形で葉柄に翼がある。
茎葉の基部は耳状にはりだして茎を半分ほど抱く。根生葉は花期にも残る。
頭花は直径2〜2.5cmで、蕾のときは花序全体がうなだれる。舌状花は糸状。
渡来した当時は舌状花が紅紫色に近いものが多かったが、現在では白色に近い。
舌状花も筒状花も冠毛は長い。そう果は扁平な広倒披針形。
よく似たヒメジョオンは秋まで花が見られ、茎は中実であり、舌状花の冠毛がない。
ヒメジョオンとの違いは茎葉を比べても判る。
ハルジオンは葉の基部が茎を半分ほど抱き、ヒメジョオンは葉の基部が茎を抱かない。
「 ドクダミ(毒痛み、毒溜み)」
(2020/05/15)
ドクダミ(毒痛み、毒溜み) ドクダミ科(Saururaceae)
学名:Houttuynia cordata
強い臭いが、毛嫌いされるが、解毒や痛み止めの薬草である。
花びらのように見えるのは総苞片で、淡黄色の突起に雄蕊と雌蕊がある。
地下茎は白く横に這い長い。茎は高さ20〜50cmで無毛。茎は赤色を帯びる。
葉は有柄、無毛、葉身は広卵形で長さ4〜8cm、幅3〜6cm。
花は長さ1〜3cmの花穂につき、その基部に4枚の白色花弁様の総苞がある。
花は両性で花弁はなく、雄しべは3本。子房は上位で3室に分かれる。
民間薬で薬効が10種もあることから十薬とも言う。乾燥させ臭いを消しドクダミ茶にする。
「シラン(紫蘭)」
(2020/05/14)早朝
シラン(紫蘭) ラン科 (Orchidaceae)
学名:Bletilla striata(Thunb.) Rchb.f.
鮮やかな赤紫色の花は、西洋的園芸種に見えるが、本州中部以西で自生する野生ラン。
栽培の歴史も長く、万葉集にも「蕙」と登場する。 白花のシランは、自生種か否か??
偽球茎は、地表に連なり、葉は長さ20~30㎝の披針形、基部は鞘となる。
花は紅紫色。唇弁は3裂し中裂片は縁が縮れ中央に縮れるように曲がった5隆起線がある。
白花種(シロバナシランform. gebina)、やクチベニシラン(花が白、唇弁の先が紅紫色)、
園芸品種もあり、それらが野生化しているらしい。
「 ムラサキカタバミ(紫片喰)」
(2020/05/14)早朝
(2020/05/15)午前8時半
(2020/05/15)午前10時半
ムラサキカタバミ(紫片喰) カタバミ科(Oxalidacea)
学名:Oxalis corymbosa
同じ帰化植物で、近似な仲間に イモカタバミ 、 フヨウカタバミ 、 ハナカタバミ 、
オオキバナカタバミ がある。紫片喰は、江戸時代に観賞用に渡来し日本各地に帰化。
種ができないので、根が広がって繁殖する。
地下に有毛の鱗片に包まれた褐色の鱗茎があり、その回りに多数の鱗茎が群がってつく。
葉はすべて根生し、葉柄は5〜15cm、3小葉からなる掌状複葉。
小葉は倒心形で、幅2〜4.5cm、毛はなく、裏面の特に葉縁近くに橙色の細点がある。
花茎は葉より高くぬき出て、高さ30cm内外となり、先端に散形花序に数花をつける。
花は淡紫紅色(径約1.5cm)。萼片は長楕円形で、先に2個の腺点がある。葯は白色。
花弁基部は黄色を帯び雌蕊柱頭は、緑色。萼片先端に橙黄色の小点(tubercles)がある。
良く似た「イモカタバミ」は、葯が黄色、花の色が濃く、中心部がさらに濃くなる。
「ベニカタバミ」は、葉が直径約2cmと小さく小葉の切れ込みが浅く倒心形、花は、2〜3個。
戦後の渡来のイモカタバミだが、ムラサキカタバミは江戸時代に渡来している。
ムラサキカタバミは雄蕊の葯が白色。花色は薄いピンク色。
「オニタビラコ(鬼田平子)」
オニタビラコ(鬼田平子) キク科(Asteraceae)
学名:Youngia japonica (L.) DC.
タビラコ より大型の意味でオニ(鬼)の名がついた。仲間には ヤブタビラコ がある。
痩せ地では10cm程度の背丈だが、環境によっては、1mの高さにまで成長する。
群生することもあるが、独立して生えていることも多い。全体に柔らかく細かい毛がある。
茎や葉を切ると白い乳液がでる。根生葉は、ロゼット状、頭大羽状に深裂する。
頂裂片は三角状卵形で先は丸い。下部の葉は根生葉に比べ、先がとがる。
茎の上部の葉は少なく、小型で少し褐紫色を帯びることが多い。
茎の先に黄色の頭花を散房状に多数つける。総苞は、円筒形。
最近ではオニタビラコを、アカオニタビラコ(Y. japonica subsp. elstonii)花茎は通常1本。
アオオニタビラコ(Y. japonica subsp. japonica)花茎が多数出る。茎葉はつかない。
似た花にヤブタビラコやコオニタビラコがあるが、果実に冠毛がないことで区別できる。
学名がjaponicaとあるが、分布は広く東南アジアやオーストラリアにも自生ししてる。
色々と、交雑種と思しきものが報告されている。
「 タチカタバミ(立ち片喰)」
タチカタバミ(立ち片喰) カタバミ科(Oxalidacea)
学名:Oxalis corniculata f. erecta
カタバミ は茎が地上を這い、花も低い位置で咲くが、このタチカタバミは、花を付ける茎が立ち上がる。北アメリカ原産の帰化植物で、日本で発見されたのは40~50年前のこと
茎高10〜30cm。茎は地をはって広がり、長い柄の先にハート形の3個の小葉をつける。
小葉は長さ約1cm。花は黄色で直径約8mm。帰化植物のオッタチカタバミとも言われている。
乾燥した場所で、葉の色が赤紫色を帯びたものをアカカタバミという。
葉の表面や茎にも毛が多いものをケカタバミという。
又、エゾタチカタバミ( Oxalis fontana Bunge=Oxalis stricta L)という種類もある。
北海道、本州(中部地方以北)の山間部の道端や林縁に生える。
茎は基部では普通分枝せず(まれに2~3に分枝)、大きいものは高さ40(60)㎝になる。
托葉が不明瞭。地下茎が細長く、太い根がない。
花序に花が5~7個つき、茎の毛に隔壁のある毛(septate hair)がある。
タチカタバミは、茎が立っているかどうかだけでは判別できない。
直立した茎の節間が短く、葉が密集するのがオッタチカタバミである。
草株が小さく、基部からの茎の分枝が少ないと葉が密集した典型的な丸い草株となる。
エゾタチカタバミ Oxalis fontana Bunge=Oxalis stricta L 種は、識別が難しい。
オッタチカタバミとエゾタチカタバミは非常によく似ていて、混同されることがままある。
日本のエゾタチカタバミと同一とされているが、タチカタバミの花数は、3個以下。
「タツナミソウの種子」
タツナミソウ(立浪草)種子(果実)。
花が終わると萼はやや長くなって口を閉じる。
中の果実が成熟すると上唇がが散って、4個の分果が落ちやすいようになる。